一言まとめ
SemiAnalysisが10月25日に発表した『Datacenters 2027: The Year of Acceleration』は、2027年の中国本土以外のデータセンター新規IT容量を約51.2GWと予測。2026年の2倍超で、電力と建設の制約緩和に伴い、2027〜2028年はチップとHBMが再びAIデータセンターの最重要ボトルネックになるとの判断が核心だ。
背景
2026年、AIデータセンター建設の過熱を巡る論争は業界全体に広がった。ハイパースケーラーとAIラボがギガワット級のリースを続ける一方、Altimeter Capital創業者Brad Gerstnerらは引き渡し能力に疑問を呈した。この状況下でSemiAnalysisは2026年10月25日、『Datacenters 2027: The Year of Acceleration』を発表し、2027年の中国本土以外の新規IT容量を約51.2GW、2026年を約25GW、2025年を15.6GWと定量化した。
51.2GW予測の3つの証拠
SemiAnalysisは3種類の検証可能なデータで予測を支える。
- 衛星画像:世界の約40カ所、24.3GW超の容量が施工後期にあり、多くの案件が半分以上完了し、2027年中の引き渡しが見込まれる。報告はこれを「計画容量が実際に建設されている」最も直接的な証拠とする。
- リース契約:2026年累計の法的拘束力を持つ解約不能なリースは1兆ドル弱。Meta、AWS、マイクロソフト、グーグル、エヌビディア、AMD、Anthropic、OpenAIがギガワット級のリースを求め、オラクルは2025年下半期に約4.5GWを完了した。
- 自社建設着工量:米国ハイパースケーラーの四半期メガワット着工量は放物線状に伸び、需要が停滞していないことを示す。
建設モデルの変革
報告はAIデータセンターの建設サイクルが大幅に短縮された経路を詳細に説明する。
- モジュール式建設により、50MW AIデータホールの引き渡しサイクルは22カ月から14カ月に短縮。DayOneは18カ月超から9カ月に圧縮し、現場労働力を最大63%削減した。
- メーター背後電源は2024年初頭のほぼゼロから、2026年8月までに75GWの予約に成長。供給業者は22社。
- マイクロソフトはロンドン郊外の50MWデータセンターリースを放棄した。地元の電力網が2030年代まで利用できないためで、電力アクセスが地域的な硬制約であることを示す。
地理的拡大
非米国市場の2027年の伸びはより速い。非米国の新規容量は2026年の6.9GWから2027年の13.2GWへほぼ倍増し、中国本土を除く全世界の2027年合計は約38GWになる。北欧、中東など電力と土地が確保できる地域が超大型プロジェクトを引き受けている。
次のボトルネック:電力からチップへ
報告の最も重要な転換点は、データセンターの完成が初日からGPUを満たすことを意味しないという点だ。2024〜2026年は電力アクセスと系統連系が最重要ボトルネックだった。建設サイクルの短縮とメーター背後電源の拡大に伴い、SemiAnalysisは2027〜2028年にチップと高帯域メモリ(HBM)が再び最重要ボトルネックになると予測する。つまり、データホールが納期通りに届いても、GPUとHBMの供給が実際の算力投入速度を決めることになる。
データソース
- SemiAnalysis『Datacenters 2027: The Year of Acceleration』(2026年10月発表)。芯智訊(新浪財経経由)2026年10月25日 リンク
